世界恐慌とリーマンショックとコロナ、過去のショックからの株価比較

本日もよろしくお願いいたします。

 

世界のマクロデータが衝撃的な数値を発表し続けているのにも関わらず、株価は下がりません。

コンセンサスが二番底予想だと上がり、V字回復だと言われればまた下がる。

最近のマーケット環境はあまのじゃくで中々予想するのが難しいです。

さて、コロナショックは良くリーマンと比較されていますが、最近ではマクロデータが世界大戦後最大級の落ち込みを表していることから、世界恐慌との比較だろうとの議論が出てきました。

二番底があるならば今はどの位置なのか、NYダウの時間軸を合わせて検証してみましょう。

世界大恐慌

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チャートを見ると1929年9月につけた381ドルを高値としてその後、下がり続けています。その後1930年4月に半値戻しを付けたもののその後も下がり続け、高値を回復するまでに20年以上の月日が掛かりました。(回復まで長すぎるのでチャートの横軸はカット)

 

次にリーマンショック

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 2008年5月につけた13,058ドルから何度もダマしの戻りがあり、高値から約10か月後の4回目にしてようやく底打ち、その後回復に転じます。

高値を取り戻したのが2013年、実に6年近くの時間を要しました。

 

そして今回のコロナ

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2月12日の高値からまだ2ヵ月程度の時間しか経っていません。

現在の水準を見るとすでに半値戻しを達成した水準であり、強烈で際限のない金融支援が奏功しています。

 

この3つのショックを、それぞれ以下の高値を100、横軸を経過日数とした場合の時間軸を作ってみましょう。

世界大恐慌 1929/9/3

・リーマン  2008/5/2

・コロナ   2020/2/12

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とりあえず365営業日後までの推移を比較してみましたが、

これを見ると過去のショックに比べてコロナは戻りが強く、かつ時間軸も非常に短いです。

仮にこのまま二番底が無いのであれば未曾有のショックと呼ぶには、あまりにも大げさで過大な印象を受けます。

しかし発表されるマクロデータは何れも未曾有の水準であり直近の株価は、やはり実体経済を反映していないものに思えます。

まだまだ楽観的な見方は禁物です。

 

良い週末を。

米国株は半値戻しを間もなく達成!今後の展開は!?

本日もよろしくお願いいたします。

 

今日は米国株の話です。

昨夜、小幅に米国株は下がりましたが、現在はコロナの懸念後退と中国の貿易統計の結果から安心感広がっているようです。

さてS&P500種は2/19の高値(3386.15)から3/23の安値(2237.4)の下落幅の50%戻し水準(2811.78)を間もなく回復しようというところです。

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コロナの景気回復が視野に入り始めたという声も聞かれます。

VIXの水準も高値から41の水準まで戻ってきました。

通常VIXは20以下が平常時であり、その水準まで近づいてきたことが安心感を誘っているようです。

 

一方ファンダメンタルズに目を向けてみると先週の米国新規失業保険申請件数は660万件と高止まり。過去3週間の失業者数は1,670万件に上ります。

野村証券の予想では今後失業率が20%の推移に達成すると発表しています。

そうなると実に5人に1人は失業している状態であり、深刻さがうかがえます。

今週予定されているNY連銀製造業景気指数も深刻なデータが出ると予想され、今後もショッキングな経済指標が続々と出てきます。

 

では何故株価は堅調なのか、、

その答えはFRBと政府の大規模な緩和措置です。

FRB社債買い付けプログラムは「3月22日まで投資適格債だった社債はジャンクになっても買い入れる」となっています。これは日本円にして最大81兆円。米社債市場の13%という数字です。

BBBからBBになるとファンドや適格機関投資家は買えなくなります。買い手が付かなくなった社債を政府が買うという構図です。

中小企業に対するローン債権を最大6,000億ドル購入も追加発表の一つです。

アメリカ政府は直接的な株式の買い入れこそ未だやっていませんが、緩和措置になりふり構っていない印象です。

パウエル議長も4/9の講演で追加緩和の実行を強調しており今後は、

ファンダメンタルズである経済指標の深刻化⇔FRBの更なる追加緩和発表

が繰り返される綱引きになると予想します。

株価のレンジとしては上にも下にも行きにくい展開ですね。

 

これから米企業の決算が本格化してくるタイミングで業績内容、今後の見通し、景気の減速スピードを計る重要な局面になってきます。

ソフトバンクの決算しかり、ボーイングの決算しかり、今のところ安心できるのはアマゾンくらいのもので各社の発表に注目しています。

 

 

PBRからみた日経平均下値の考え方

ブログ記事更新です。

本日もよろしくお願いいたします。

 

日本は緊急事態宣言の発令があったものの、未だコロナの収束の兆しは見えておりません。

専門家からは外出自粛を求めてから、効果が出るのは2週間以降と言われておりますので、早ければ来週あたりから効果が出れ来るのかもしれません。

しかし、いつ終わるかの予測は難しく長期化する可能性もあります。

 

日本株において目下の注目は企業の業績発表、更にはサプライズな減配、無配発表でしょうか。

08年度のリーマン時に減配した業種は自動車、輸送、鉄鋼などが多いです。

今日付けで発表されたソフトバンクの下方修正の見通しはインパクトが大きかったですね。(また別日にソフトバンク考察はやろうと思います。)

減配が発表されると株価も下値を模索する展開となる。

目安となる下値を前回、PERから見る日経平均の下値をイメージトレーニングしてみたが、今回はPBRで見てみよう。

下記が過去の日経平均とPBRの推移です。

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現在のPBRの水準は1.42倍となっています。おやっ?

日経新聞社のHPに出てるPBRと数値がズレているな、、https://www.nikkei.com/markets/kabu/japanidx/

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HP上だと既に1倍を切って0.92倍となっている。

調べてみたらこれ、加重平均ベースでの試算のようです。

f:id:john_man:20200413214735p:plain日経平均はTOPIXと違って単純平均べースなので、尺度を合わせ4/10時点19,498円の単純平均で算出するとPBRは1.44倍になります。(出所元:ブルームバーグ

1倍に直して試算すると13,540円。リーマン時のボトム0.90倍に合わると12,186円。うーんこれは流石に悲観的過ぎるかな、、

 

日銀も19,000円は割らせたくない様子。なので上値は19,000円、下値は13,000円が妥当なラインだと思います。

 

最後に今日時点で筆者が考えるシナリオを幾つか考えてみた。

  • 日銀の買い支えがこのまま奏功し安定推移。
  • グローバルでコロナ感染者数の更なる深刻化に伴いリスクオフ→二番底を試す展開。
  • 緊急事態宣言の延長、日本国内でのコロナウイルス対応が長期化→株価はジリジリと下がる長期低迷期に入る。
  • 中国、米国の収束の兆しが加速、他地域よりも先導してリカバリー→回復はU字回復に移行。

以上、ご意見・ご質問お待ちしています。

 

 

マーケットビュー

グローバルでコロナの感染者数が再び上昇に転じました。ドイツ、スペインしかり米国も一日の感染者数が大幅増加しピークに迫ります。

最近のマーケットを振り返るとラッセル2000小型株指数の上昇率が目立ちます。

株は現在ショートポジションの巻き戻しが続いているようで上昇基調です。

 

FRBがハイイールド債の買い入れを発表しました。

原油価格の安定も視野に入れてのことでしょう。(ハイイールド債の発行体はエネルギーセクターが多い。理由はエネルギーの運送パイプラインのみであれば掘削や大規模な開発を伴わないので、参入障壁が低く中小企業でも簡単に事業を行えるからと言われています。)

投資適格債(IG)が格付BBB以上に対してBB以下の債券を投資不適格債(HY)ハイイールド。

今回の社債購入で償還期間が5年まで買えることになりました。

FRBは一般企業に対して融資する取り組みまで打ち出し、なりふり構わず緩和措置を行っている印象です。

 

ところで、ジャンク債の代表格と言えばWEWORK。

日々のコストカットと自社株買い、ソフトバンクの支援で頑張ってきた同社は孫さんの梯子外しに見舞われ、社員は衝撃を受けていることでしょう。

本業も稼働率6割と急低下しています。

金融市場において同社の債券は$100に対して$39程度まで売られて最早デフォルトの水準です。

更にもう一つのソフトバンクの出資先としてOYOが最近のニュースを賑わせています。

大幅な人員削減に加えて、ない袖は振れず提携先のホテルに支払い停止を通知したとか、、
ソフトバンクの投資先がデフォルト寸前までひっ迫しています。

ここからは連想ゲーム。

市場ではWEWORK、OYOの信用不安→ソフトバンクCDS(クレジットデフォルトスワップ)急騰→ソフトバンクに多額の融資をしている、みずほ銀行CDS上昇と連鎖が止まりません。

孫さんカリスマ性の発揮のしどころでしょう。

5月11日に予定されているソフトバンクの決算発表が楽しみです。

 

日本も小売業の決算発表が始まりましたが、業績予想の大幅な下方修正を出したユニクロは今日も買われています。

ここで留意する点があるのがユニクロは値がさ株(1株当たりの単価が高い)で日経平均を構成するウエイト割合が1位です。

現在の日銀の購入対象の多くは間接的にユニクロを買っており、その保有割合は間接的にせよ19.3%と先週の日経ヴェリタスで報じられています。つまり浮動株がそもそも少なく、そこに日銀が買い注文を出している構図です。

 

今後、各社の決算発表が本格化する中で減配、無配、赤字、倒産等のニュースが駆け巡るかもしれません。

今の局面、利益は内部留保に回したいのが本音でしょうが、株主の顔色を見て各社配当を払うか危機に備えて留保するか悩み処でしょう。

 

ご意見、ご質問お待ちしています。

 

今のマーケットはポジティブ?ネガティブ?日経平均の下値目途を考えます。

本日、ブログを作成したのでどうせなら1つ記事を書いてみようと思いましたので、よろしくお願いします。

イラスト、デザイン等はまだ素っ気ないですが、後々整えていきます。

 

昨日の海外は久しぶりに静かで、衝撃の雇用統計も受け流しネガティブサプライズを織り込みにいってるのではないか?との楽観論が出てきつつあります。

企業業績も悪い覚悟が出てきている可能性すらあり、決算延期、減配、赤字決算、破綻も織り込み済みであると、、

経済紙には日経予想16,000円~23,500円のレンジで厳しい見方でも14,500円程度。

アナリストもコロナの影響が見えず頭を悩ませているでしょう。

悲観論、楽観論どちらも入り乱れて判断が難しい局面です。

 

そこで、今回はEPSに基づいて日経平均の下値メド、現在の水準のバリエーションがどうなのか、簡単にイメージトレーニングをしてみます。

 

現在の予想EPS(1株当たり利益)のコンセンサス水準は1,600円程度、ここに企業業績の減益シナリオのストレスを掛けていきます。

10%減益の場合は1,440円、20%減益の場合は1,280円、30%減益の場合は1,120円程度。

そこにPERの水準を掛けてやれば概ね日経平均の下値を試算できます。

ここでPERの水準を幾つで計算するか、またまた議論になるんですが、筆者は12.5倍程度と試算します。

理由は足元のPER水準が12倍~13倍程度で推移していること、更にPERの逆数(1/PER)益利回りが8%程度となるからです。ROE8%と考えても、まあ妥当な水準でしょう。

そうすると、10%減益のシナリオで18,000円、20%減益だと16,000円、30%減益だと14,000円

うーん、、やっぱり今の19,300円の水準は違和感があります。

30%減益の14,000円、こちらは割としっくりきますね。

 

でも何故日本株がしっかりしているのか謎です。BOJ、GPIFの買いだけでは説明できないレベルになってきています。

 

無理やり理由をつけるなら今の相場はモメンタム(勢い、トレンド)で動いている節が強いので短期筋の投資家+政策的な買いでしょうか。

世界を見渡すと国家による株式の下支えは中国の十八番だったのが日本もそのリストに加わりそうです。
 

しかし以下のグラフの通り(4/3時点、TOPIXとダウですが)年初来でまだ20%程度しか下がっておらず、コロナの影響ってそんなもん??

というのが個人的な感想でまだまだ楽観は禁物です。

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楽観論、悲観論どちらも大歓迎。ご意見、ご質問お待ちしています。

 

 

ブログはじめました。

初めまして、ジョンです。

コロナの影響で在宅ワークが増えてきており、

自分のマーケット観の振り返りも兼ねてざっと雑感を記録していきたいと思います。

どちらかというと自分のアウトプットが目的なのでマイペースでやっていきます。

 

よろしくお願いします。